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2023.07.10ページが新しくなりました!

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【コラム】データサイエンティストの心得その8「チョコレートと幸せのデータサイエンス」

本コラムは、データサイエンティスト・神山が「心得シリーズ」として
データ活用の面白さと難しさを語ります。
データサイエンティストのこぼれ話としてお楽しみいただければ幸いです。


2月と言えばバレンタインデー、バレンタインデーと言えばチョコレートですね。
チョコレートに関するデータの世界では、例えばチョコレートに含まれるカカオフラバ
ノールを摂取してから運動を行うと、一時的に認知機能が高まるなど様々な効果が
科学的に検証されています。
出典:Hayato Tsukamoto et al(2018)."Flavanol-rich cocoa consumption enhances exercise-induced executive function improvements in humans". Nutrition, 46, 90-96.

今回は、チョコレートに関する私がお気に入りの実験データのご紹介です。
Quaidbachら(2010)は、カナダの大学生を対象にチョコレートに関する
アンケートと称して次のような実験を行いました。
実験参加者の大学生に渡されるアンケート用紙はバインダーに挟まれており、
隣のページには無関係な写真が挟まれていました。挟まれていた写真は次の
2パターンです。

A:お金の写真
B:自然の写真


実験参加者はバインダーの中身の写真を見てからチョコレートを食べてアンケートに
回答するのですが、実は重要なのはアンケートの回答内容ではなくてチョコレートを
食べている時の様子でした。
実験者が観察すると結果の偏りが大きいと考えられます。そのため、実験について
何も知らない第三者が実験参加者を観察していました。
観察して測定したのは次の2つです。

(1)チョコレートを味わっている時間
(2)チョコレートを味わう表情(「全く嬉しそうじゃない」から「非常に嬉しそう」
の7段階で評価し7点満点)


結果は次の通りです。



Quaidbachらはこの結果から、お金のことを想起するとチョコレートを食べる時間の
ようなささやかな幸せを味わえなくなってしまう
ことを示唆しました。もちろんお金の
ことを考えてはいけないということではなく、ほどほどにしないと幸福が遠のいて
しまうことがチョコレートを使った実験で実証されたのです。
出典:Quaidbach, J. et al(2010). "Money Giveth, Money Taketh Away: The Dual Effect of Wealth on Happiness." Psychological Science,21(6),759-763.

今回は、チョコレートを題材にした実験データをご紹介しましたがいかがでしたか?
データサイエンスの世界では「幸せ」のような数値化できない抽象的な概念も
なんとか数値化して分析できないか
日夜研究を重ねています。

皆さんがよく聞く「ストレス」も本来数値化が難しいものなのですが数値化
する手順を確立して、現代の健康管理に役立てられています。
現代社会では様々なデータから本来は見えない抽象的な概念からも新事実
を発見し、世界をより良くする方法が考案されています。データが持つ魅力
にぜひ触れてみてくださいね。

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※本記事は2022年02月16日現在の情報です。
  

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