2024.07.11
2024.11.06
宇宙が未来を切り拓く!?SXによる価値創造②~宇宙開発とICTの歴史
- 文字で構成されています。
※この記事内容は
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宇宙が未来を切り拓く!?SXによる価値創造
連載記事①~SXとは?
連載記事②~宇宙開発とICTの歴史 ★現在の記事
宇宙開発とICT
2024年に入ってから、月面への無人探査機SLIM(スリム)の着陸や新型ロケットH3の打ち上げ成功など、宇宙関連のニュースが注目を集めています。
宇宙と聞くとロケットや人工衛星などを連想しがちですが、実は、宇宙技術の中心にはICT情報通信技術、Information and Communications Technologyの略があることをご存じでしょうか?
本記事では、宇宙開発の歴史を振り返りながら、ICTがどのように重要な役割を果たしてきたかをご紹介します。
宇宙開発の黎明期
《1950~60年代》
▼ 宇宙開発の黎明期《1950~60年代》 | |
---|---|
1957年10月 | 旧ソ連が世界初の人工衛星・スプートニク1号を打ち上げ |
1958年1月 | アメリカが人工衛星を打ち上げ |
1961年4月 | 旧ソ連が初の有人衛星・ボストーク1号を打ち上げ |
1961年5月 | アメリカのケネディ大統領がアポロ計画(有人宇宙飛行計画)を発表 |
1969年7月 | アメリカがアポロ11号で人類初の月面着陸に成功 |
宇宙開発は1950年代に始まり、当時は米ソの国家威信をかけた競争が繰り広げられていました。1957年10月に旧ソ連が世界初の人工衛星ロケットを使って宇宙空間に打ち上げられ、地球のまわりをまわっている人工物のこと。
人間が乗ることのできる人工衛星は「有人衛星」と表現しています・スプートニク1号を打ち上げ、その約3ヵ月後にアメリカも人工衛星を打ち上げています。
1961年4月には、旧ソ連が初の有人衛星ボストーク1号の打ち上げに成功。これに対抗してアメリカのケネディ大統領は「アポロ計画(有人宇宙飛行計画)」を発表し、月を目指しました。
そして1969年7月、アメリカはアポロ11号※により人類初の月面着陸を成功させます。これにより、「ムーンショット」という言葉が「大きな目標を達成すること」の象徴となりました。この有人宇宙飛行という一大プロジェクトを通して、地球と月との交信に欠かせないICT技術が大きく発展したのです。
※アポロ11号に搭載されていた宇宙船誘導コンピュータは16ビットCPUで、2の16乗=65,536個の処理を同時にできる一昔前の「スーパーファミコン」と同等の性能でした。
ご参考までに、現在の家庭用ゲーム機は64ビットCPUで、2の64乗=18,446,744,073,709,551,616個(1844京6744兆737億955万1616個)のデータを一度に処理することができてしまいます
宇宙は冷戦の舞台に
《1970~90年代》
▼ 宇宙は冷戦の舞台に《1970~90年代》 | |
---|---|
1970年~ | 米ソ対立の中で、宇宙技術がさらに進化 |
1980年~ | 非軍事分野や民生分野における宇宙技術の応用が活発化 |
1990年~ | 宇宙望遠鏡や国際宇宙ステーション(ISS)の取り組み開始 |
1970年代に入ると、宇宙は東西冷戦の舞台にもなりました。米ソ対立の中で、大陸間弾道ミサイルや軍事偵察衛星、軍事通信衛星により、ICTはさらなる進歩を遂げていきます。
1980年代以降は、これらの軍事技術が気象衛星や放送衛星などの非軍事分野に応用※されるようになり、スペースシャトルを通じた民生分野(民間や一般生活に関わる分野)の研究も活発になっていきました。
※前回記事でご紹介した「SX」の走りともいえます。なお、軍事技術を民生技術の元として転用することを「スピンオフ」と呼びます
1990年代に入ると、宇宙望遠鏡や国際宇宙ステーション(ISS)など、世間一般的に広く知られる取り組みが始まります。
民間主導の時代へ
《2000年代~》
▼ 民間主導の時代へ《2000年代~》 | |
---|---|
2000年~ | 宇宙分野に民間企業が続々と参入 |
2008年 | 日本政府が「宇宙開発戦略本部」を設立 |
2023年 | 日本政府が「宇宙戦略基金」を創設 |
21世紀に入ると、宇宙分野にも民間の組織・技術が増えていきました。スペースX社を代表とする民間企業が続々と参入し、GPSや衛星通信、資源探査、環境・温暖化など現代的なテーマが焦点となっています。その中で、ICTとリモートセンシング技術はいうまでもなく重要な役割を果たしています。
政府の分野(安全保障・深宇宙探査・月利用・火星探査)と民間の分野(各種宇宙ビジネス)の住み分けがはっきりしてきたのです。
このような流れの中、日本政府は2008年に内閣総理大臣をトップとする「宇宙開発戦略本部」を設立し、官民一体で宇宙研究・開発に取り組んできました。 2023年には「宇宙戦略基金」を創設し、JAXA(宇宙航空研究開発機構)を通じて今後10年間で1兆円規模の委託・補助金を民間企業や大学、研究所に提供する計画です。 <ご参考:内閣府ホームページ「宇宙開発戦略本部について」>(https://www8.cao.go.jp/space/hq/about.html)宇宙による価値創造に向けて
歴史の流れからご覧いただけたとおり、宇宙開発においてICTは重要な役割を担うようになりました。そして前回記事でもご紹介したとおり、民間企業はICTを活用した宇宙ビジネスの展開を進めています。
宇宙は、地球のさまざまな課題を解決する可能性を秘めているのです。
DXがデジタルから社会を変革するのと同様に、宇宙から経済・社会の変革をもたらすSX(スペース・トランスフォーメーション)が始まりつつあります。
インソースデジタルアカデミーは、この動きを的確に捉えて新作コンテンツを鋭意開発中です。未知の領域を学び、新たな価値創造に向けてチャレンジするきっかけとなるセミナーとコンテンツの公開を、ぜひ楽しみにしていてください!
宇宙が未来を切り拓く!?SXによる価値創造
連載記事①~SXとは?
連載記事②~宇宙開発とICTの歴 ★現在の記事
※本記事は2024年11月06日現在の情報です。
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