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2023.07.10ページが新しくなりました!

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【コラム】統計学のエッセンスその1「チョコレートを食べるとノーベル賞が取れるって本当?」

各国における1人あたりのチョコレートの消費量と
1000万人当たりのノーベル賞受賞者数の関連を調べた研究で、
次のような結果が得られています。


出典:Messerli, F. H. (2012) Chocolate Consumption, Cognitive Function,
and Nobel Laureates, The New England Journal of Medicine, 367, 1562-1564.

これを見ると、スイスやデンマークなどチョコレートの消費量が多い国ほど、
ノーベル賞の受賞者数が多いことが分かります。

素直に解釈するなら、「チョコレートを食べるとノーベル賞を取るほど頭が良くなる」と
主張して、チョコレートをたくさん食べたくなることでしょう。

しかし、話はそう簡単ではありません。
図を見ると分かる通り、わずかな数の国を調べたデータにすぎませんし、
チョコレートを食べると頭が良くなると主張するには、
よく食べる人と食べない人で比較する必要があります。
例えば、スイスでノーベル賞を受賞した人のデータを集めて、
チョコレートの消費量を比較するということが考えられますね。

この問題を検証する場合は、チョコレートの消費量が多い国が
どういう国かということも考える必要があります。
チョコレートはぜいたく品であるため、消費量が多い国は豊かで、
教育水準が非常に高いということが考えられるのです。
チョコレートが直接的な要因ではなく、高い教育水準によって
ノーベル賞受賞者が多いと考えられます。

このようにデータ同士の関連から、因果関係を読み取るのは難しいです。

何かが起こった時、私たちは因果関係を想定しがちです。
教育の場面では、ゲームや漫画がよく悪者にされています。
しかし、本当にそれが原因であるかどうかはさらなる検証が必要なのです。

出来事の本当の原因は何なのかを追究することが
データのより良い活用になることを忘れずにいたいものです。

ちなみにチョコレートと認知機能の関係は様々な実験で検証されていて、
チョコレートに含まれるカカオフラバノールが頭に良いとされています。
出典:Hayato Tsukamoto et al(2018)."Flavanol-rich cocoa consumption
enhances exercise-induced executive function improvements in humans". Nutrition, 46, 90-96.

ノーベル賞を取れるようになるほどかは実験で検証されていませんが、
チョコレート好きには嬉しい研究も数多くあります。

データの世界では様々な食品の効果が統計学的に明らかにされているので、
興味がある方はぜひ調べてみてくださいね。


※本記事は2022年08月10日現在の情報です。
  

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