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2024.01.22

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Excel「条件付き書式」で、もっと資料をわかりやすく!④~活用事例・プロジェクトの進捗管理

※この記事内容は

文字で構成されています。
Excel「条件付き書式」で、もっと資料をわかりやすく!④~活用事例・プロジェクトの進捗管理

条件付き書式を業務に活かす

本記事でご紹介する活用事例は「プロジェクトの進捗管理」です。ぜひご自身のExcelで、実際に手を動かしながら試してみてください。

連載記事①~どんな機能で、どう役に立つ?
連載記事②~活用事例・予算達成状況の見える化
連載記事③~活用事例・記入漏れの防止
連載記事④~活用事例・プロジェクトの進捗管理 ★現在の記事
連載記事⑤~注意点とマスターのカギ

活用事例:プロジェクトの進捗管理

複数人が関わるプロジェクトを推進する際は「ガントチャート※」で作業の進捗管理を行うことが多いのではないでしょうか。関係者が多ければ多いほど、作業全体の進捗を一元管理し、共有できる状態にしておくことが重要です。
※ガントチャート:プロジェクトなどの工程管理に用いられる表の一種。縦軸に作業内容、横軸に時間を設定し、各作業~プロジェクト全体の進捗状況を把握できるようにします
そんなガントチャートも、「条件付き書式」を使って作成することができます。「タスクの優先度に応じて色付け」、「完了タスクは行ごとグレーで塗りつぶす」、「進捗遅延のタスクは行ごと赤色で塗りつぶしてアラートを出す」、「タスクの予定開始日~終了日をスケジュール上で可視化」など、 複数のルールを設定して動的に色付けを行うことで、各作業の進捗を視覚的にわかりやすく把握できます。
設定は少し複雑になりますが、「条件付き書式」の応用編として挑戦してみませんか?次章から設定手順を解説していきます。

実際に手を動かそう!設定手順のご紹介

下図を完成イメージとして、以下4つのルールの設定方法をご紹介します。

※本記事でご紹介するキャプチャ画面は2024年1月執筆時点のものです(Microsoft Excel for Microsoft 365を使用)。今後変更となる可能性がありますので予めご了承ください。

(ⅰ)タスクの優先度に応じて色付け

ここではガントチャートB列「優先度」に入力された文字列(A~C)に応じて、セルの色が塗りつぶされるルールを設定します。最優先の「A」から進めましょう。

まず、条件付き書式を適用したいセル/セル範囲(下図の場合は必須項目となるB7~11セル)を選択します。そのままメニュー「ホーム」>「条件付き書式」>「新しいルール」をクリックしてください。
「新しい書式ルール」ダイアログボックスが現れますので、次のとおり選択・入力してください。
・ルールの種類を選択:指定の値を含むセルだけを書式設定
・次のセルのみを書式設定:左から「特定の文字列」「次の値を含む」「A」
入力が完了したら、「書式」ボタンをクリックしてください。
「セルの書式設定」ダイアログボックスで、優先度に「A」と入力された場合に適用される書式(セルをピンク色で塗りつぶす)を設定します。「塗りつぶし」タブから、ユーザー設定で濃いピンク【#FF99CC】※を指定します。
※カラーコードと呼ばれる、色を指定するためのコードです。【#FF99CC】のように、#(ハッシュ)の後に6桁の16進数(0123456789ABCDEF)を続ける形で表記します。最初の2桁は「赤」、次の2桁は「緑」、そして最後の2桁は「青」を表しており、これら3色を組み合わせて色を表現します。
設定完了後はすべてのダイアログボックスをOKボタンで閉じてください。すると、セルに書式が反映されていることが確認できます。

優先度「B」,「C」も同様に色を変えて設定すれば、優先度に応じて色分け表示されるルールの完成です。

(ⅱ)完了タスクを行ごとグレーで塗りつぶす

ここではガントチャートI列「ステータス」に、「完了」という文字が入っていたら対象タスクが行ごとグレーで塗りつぶされる」ルールを設定します。

まず、条件付き書式を適用したいセル範囲を選択します。そのままメニュー「ホーム」>「条件付き書式」>「新しいルール」をクリックしてください。
「新しい書式ルール」ダイアログボックスが現れますので、次のとおり選択・入力してください。数式はすべて半角で入力するようご注意ください。
・ルールの種類を選択:「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
・ルールの内容を編集:「=$I7="完了"」と入力(コピペ推奨)
入力が完了したら、「書式」ボタンをクリックしてください。
「セルの書式設定」ダイアログボックスの「塗りつぶし」タブから、デフォルトのグレーを選択します。
すべてのダイアログボックスをOKボタンで閉じると、「完了」と入力されたタスクが行ごと塗りつぶしされた状態になったことを確認できます。これで、どのタスクが仕掛かり中で、どのタスクが完了したかが一目瞭然になります。

(ⅲ)進捗遅延のタスクを行ごと赤色で塗りつぶし、アラートを出す

ここではガントチャートG列「予定終了日」をもとに、予定終了日の当日or終了日を過ぎているにも関わらず「完了」していないタスクを、行ごと赤色に塗りつぶして注意喚起するルールを設定します。

※ここではNo.4のタスクが遅延中(予定開始日:12/1、予定終了日:12/15)という設定にしています。

まず、条件付き書式を適用したいセル範囲を選択します。そのままメニュー「ホーム」>「条件付き書式」>「新しいルール」をクリックしてください。
「新しい書式ルール」ダイアログボックスが現れますので、選択・入力してください。数式はすべて半角で入力するようご注意ください。
・ルールの種類を選択:「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
・ルールの内容を編集:「=AND($G7<>"",TODAY()>=$G7,$I7<>"完了")」と入力(コピペ推奨)
入力が完了したら、「書式」ボタンをクリックしてください。
※ご参考【=AND($G7<>"",TODAY()>=$G7,$I7<>"完了")】
この数式にはAND関数が使われています。【=AND(条件式,1条件式2,...)】のように、括弧内の複数の条件がすべて真である場合に書式が適用されます。括弧内の条件内容は次のとおりです。
●$G7<>"": セルG7に入力された値が空白ではない
●TODAY()>=$G7: 今日の日付がセルG7に入力された日付を過ぎている
●$I7<>"完了": セルI7に入力された値が「完了」ではない
「セルの書式設定」ダイアログボックスの「塗りつぶし」タブから、デフォルトで用意されている赤色を選択します。
すべてのダイアログボックスをOKボタンで閉じると、予定終了日を過ぎているタスクが行ごと赤く塗りつぶされていることを確認できます。これでどのタスクが遅延しているか、一目瞭然になります。

(ⅳ)タスクごとの予定開始日~終了日をスケジュール上で可視化

ここではガントチャートF~G列「予定の開始日・終了日」をもとに、スケジュール上で作業期間を可視化するルールを設定します。

まず、条件付き書式を適用したいセル範囲を選択します。そのままメニュー「ホーム」>「条件付き書式」>「新しいルール」をクリックしてください。
「新しい書式ルール」ダイアログボックスが現れますので、次のとおり選択・入力してください。数式はすべて半角で入力するようご注意ください。
・ルールの種類を選択:「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
・ルールの内容を編集:「=AND(X$5>=$F7,X$5<=$G7)」と入力(コピペ推奨)
※X$5はスケジュール上で基準となるセルを選択してください。図ではX$5に「2024/1/1」と入力されています。
入力が完了したら、「書式」ボタンをクリックしてください。
※ご参考:この数式にはAND関数が使われています。
【=AND(条件式,1条件式2,...)】のように、括弧内の複数の条件がすべて真である場合に書式が適用されます。括弧内の条件式の内容は次のとおりです。
●X$5>=$F7: セルX$5に入力された値が、セル$F7に入力された値以上である
●X$5<=$G7: セルX$5に入力された値が、セル$G7に入力された値以下である
「セルの書式設定」ダイアログボックスで、作業期間としてスケジュールにオレンジに色付けされる書式を設定します。「塗りつぶし」タブからデフォルトで用意されている色を選択しました。
すべてのダイアログボックスをOKボタンで閉じてください。すると、セルに書式が反映されていることが確認できます。

担当者に応じてスケジュールの色を変更されたい場合は、数式にCOUNTIF関数を組み合わせることでより凝った体裁のガントチャートを作成することもできます。COUNTIF関数については、また別の記事で詳しくご紹介する予定です。

最後に

皆さん、「条件付き書式」でプロジェクトの進捗を効率的に管理できそうですか?

連載ラストとなる次回記事では、条件付き書式ルールを取り扱う際に気をつけたいことや、 ChatGPTを活用したマスターのヒントをご紹介しています。

こちらもご覧いただきながら、ぜひ実務で活用してみてください!

Excel「条件付き書式」で、もっと資料をわかりやすく!

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※本記事は2024年01月22日現在の情報です。

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