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【コラム】データサイエンティストの心得その4
「データを歪める認知バイアス3選」


 本コラムは、データサイエンティスト・神山が全4回シリーズで
データ活用の面白さと難しさを語ります。
データサイエンティストのこぼれ話としてお楽しみいただければ幸いです。


私は大学時代、ひたすら心理学の研究に明け暮れていました。
心理学では、実験によるデータ収集や統計学によるデータ分析を行い、結果を
レポートにしたり、論文に書き上げたりします。データ収集やデータ分析はもちろん
大切な一方、データを生かすにはデータをどのように解釈するかがポイントになり
ます。私は、指導教官にデータの解釈に注意するように度々指導されていました。

今回はデータを解釈する上で注意するべき「人間が起こしやすいバイアス(先入観や
思い込み)」
を3つ挙げていきます。

(1)同じ結果でも、見方を変えると捉え方は異なる
手術をするか選択する場面で、医師に次のように言われたとします。

A:この手術の成功確率は90%です
B:この手術の失敗確率は10%です

皆さんはどう感じましたか?
AとBの2つで言っている内容は同じです。しかし、人間はAの方がポジティブに
感じやすく、手術を選択する確率が高まります。Aでは約85%、Bでは約50%が手術
を選択するといわれています。
出所:New England Journal of Medicine. 1982 May 27; 306(21): 1259-1262.

表現の仕方によって、人間は同じ意味でも違う意味のようにとらえてしまう場合が
あります
。データサイエンティストはこの点に注意して、どのようにデータを解釈
するか、また、どのように説明するかが求められます。

(2)都合のいい結果に飛びつきやすく、都合の悪い結果は見ようとしない
私が小学生から高校生くらいの頃にかけて、血液型性格診断が流行っていました。
よく聞く話題だったため、私も血液型が性格を決めると信じ、書店で血液型性格診断
の本を買ったこともあります。科学的には、血液型と性格に関連性があるとは言えな
いという考え方が優勢です。しかし、一部には、血液型と性格に関連性があるとする
研究があるのもまた事実です。

血液型性格診断を信じる人は、血液型と性格に関連性があるとする研究ばかり注目
します。血液型性格診断を信じない人は、血液型と性格に関連性があるとは言えな
い研究ばかり注目します


ビジネスの場面でも同じようなことが考えられます。例えば、ある施策が有効だと
信じるとその施策のメリットばかりを見て、デメリットが見落とされてしまう時があり
ます。データサイエンティストは、自分が主張したいことばかりにこだわらず、多角的
に検証するのが大切です。

(3)確率的思考、統計学的思考は難しい
例えば表と裏がそれぞれ50%ずつ出るコインを5回投げて、表と裏の出方を調べる
とします。

A:表 表 表 表 表
B:表 裏 裏 表 裏

AとBが起こる確率はどちらの方が高いでしょうか。私たち人間は、「Bの方が起こる
確率は高い」と考える傾向があります。しかし、この問題は、「AとBが起こる確率は
同じ」が正解です。

ランダムな結果の中から、人間の脳はパターンを見つけ、偶然の結果ではないと
錯覚することがあります。
パターンを見つけて、そうなる理由を考えるわけですが、
実際は偶然だったということがよくあります。確率的、統計学的に物事を捉えるのが
人間は難しいのです。

何らかのパターンを見つけた時、人間は「偶然ではない、因果関係がある」と考えて
しまいがちです。データサイエンティストは、人間にこのようなバイアスがあると認識
して、冷静にデータを解釈する力が必要
です。

注意するべき3つのバイアス、いかがでしたでしょうか。
このように、人間は数字やデータのとらえ方に歪みがあり、間違った解釈をしてしまう
ことがあります。人間がこのようなバイアスを持っていることを知り、的確にデータと
向き合うことがデータサイエンティストには大切です。


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※本記事は2021年09月15日現在の情報です。

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