2024.11.20
2024.12.09
日本発!DXで目指す持続可能な社会 ~Society 5.0とは?
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今回の記事では、情報デジタル技術を活用して人間中心の持続可能な社会を目指す日本のビジョン「Society(ソサエティ)5.0」について解説します。
Society 5.0とは?
Society 5.0は、2016年に閣議決定された日本政府の「第5期科学技術基本計画」で初めて提唱された未来社会へのビジョンです。ソサエティは「社会」という意味で、 Society 5.0は狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く5番目の「超スマート社会」を示しています。
ここでは、高度なシステム化により「経済発展と社会的課題の解決を両⽴する⼈間中⼼の社会」という定義がなされました。
その後、コロナ禍などの情勢の変化を踏まえ2021年に閣議決定された「第6期科学技術・イノベーション基本計画」では、現代の情報社会(Society 4.0)には、経済的・情報的格差の拡大、社会の分断など限界が来ていると指摘し、 めざすべきSociety 5.0を「持続可能性と強靭性を備え、国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せ(well-being)を実現できる社会」と表現しています。
Society 5.0とDX
Societyを実現するために必要なものとして、サイバー空間と現実社会の融合、多様で卓越した「知」の創造、そして新たな社会を支える人材の育成があげられます。
Society 5.0は、社会全体の変革を目指す非常に大きなビジョンですが、それを下支えするのがデジタル技術です。IoT家電や車などさまざまな物がインターネットにつながり、情報をやりとりできる技術、AI、ビッグデータたくさんの情報を集めて分析し、人々の役に立つ新しい知識やサービスを作ること、ロボットといった技術基盤を活用し、社会全体を持続可能な形に変革するという、壮大な DX(デジタルトランスフォーメーション)でもあるといえます。
たとえば、自動運転の技術を用いることで、移動の手段を持たない人が安全に移動できるようになりますし、医療面ではAIを使った画像診断で、がんなどの早期発見が期待できます。ロボットの活用で製造業などの人材不足に対応できたり、オンライン教育により遠隔地での学習の機会が増えたりもするでしょう。
産業・医療・教育などさまざまな場面で、DXによって効率性や利便性が向上し、持続可能な社会の実現が加速します。これらの技術革新は、国連が目指す持続可能な開発目標(SDGs貧困や環境問題など世界中の課題を解決するために設定された17の目標)の達成にも重要な役割を果たすでしょう。
人間中心の社会を目指せるか
Society 5.0を目指す道程には、乗り越えなければならない課題もあります。
DXが進展する段階では、都市と地方、年齢層などによって、デジタル技術や情報へのアクセスに格差が出る 「デジタルデバイド」が拡大する可能性があります。社会的・経済的な不平等が起きないよう、政府が中心となって努力する必要があるでしょう。
AIやビッグデータ、ロボット技術の活用においては、個人情報の漏洩やサイバー攻撃のリスク、事故が起きた際の責任の所在が不明確になるリスクがあります。法整備や倫理基準づくりなどの議論が必要です。
AIやロボットによって人間の仕事が奪われるのではという心配もありそうです。Society 5.0は、持続可能かつ人間中心の社会を目指すビジョンですから、望む人が リスキリング(新しいスキルの習得)や、 リカレント教育(学びなおし)といった機会を得られるよう、企業や社会、教育機関などが環境を整えることが重要になってきます。
政府の基本計画の中でも、個人が能力を最大限に発揮できる環境を作り、個人の学びを継続できるような取組みを官民ともに行うことが記されています。
まとめ
Society 5.0は、情報デジタル技術を活用して社会全体を変革するという大きな試みですが、中心となるキーワードは「持続可能」と「人間中心」です。科学技術の発展やイノベーションの恩恵をすべての人が享受でき、またいっぽうで個人が多様な能力を発揮できる社会こそ、めざすべき「超スマート社会」であると言えるでしょう。
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※本記事は2024年12月09日現在の情報です。
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