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2023.06.20

2024.04.05

夢の職業?! プロンプトエンジニア

※この記事内容は

文字で構成されています。
夢の職業?! プロンプトエンジニア

プロンプトエンジニアとは

ChatGPTの実用性、発展性が注目されているなか、それらを駆使する新たな職業が大きな話題になっていることはご存知でしょうか。それが「プロンプトエンジニア」です。

そもそも「プロンプト」という言葉には促すといった意味があり、「入力待ち状態」 であることを示す表示のことですが、生成型AIにおいては指示文そのものを指します。この、生成型AIに対して、適切な回答を引き出すための指示・命令文を考えて出すことがAI領域のプロンプトエンジニアリングです。

実際にChatGPTを使ってみた事がある方は、求めている回答が得られなかった、事実とは一部異なる情報をもっともらしい書きぶりで回答されてしまった、なんて経験がある方もいるのではないでしょうか。

AIからより高品質なアウトプットを得るためにプロンプトを作成する専門の職業がプロンプトエンジニアです。その巧みなプロンプトスキルから、「AI魔術師」とも呼ばれています。

年収数千万も夢じゃない!?新職種としての需要

特に英語圏ではプロンプトエンジニアの需要が急激に高まっており、最近では日本円にして4,000万円以上の年収を提示する求人が掲載され大きな話題となりました。さらにこの求人には、スキルさえ持ち合わせていれば情報系の学位等も必要ないという点で、驚くほど高レバレッジな新職業としてその注目度に拍車をかけています。

日本国内でも、既にプロンプトエンジニアの求人が続々と出てきており、プロンプトエンジニアに特化した求人媒体も登場しました。

実際にどのような業務内容で求人が出されているのか見てみましょう。

・ChatGPTを用いた調査や資料作成
・上記の業務におけるテンプレートの作成、最適化
・その他AIを駆使したシステム開発やデザイン作成業務等

その業務は多岐に渡りますが、職種として歴史が浅いためプロンプトエンジニアリング業務の整備等も含まれる場合もあるようです。

流行りの職業!?これからも仕事があるのか

注目を浴びる反面、職種として今後も確立するのか、懸念の声もあがっています。

現在のGPT-4では、文脈まで汲み取って、より人間的なアウトプットができるようになりました。このように、AI自身も今後どんどん賢くなるため、そもそも人間がプロンプトを作成するために時間を費やす必要がなくなるのではないかという疑問があがっています。

また、ChatGPTなどの生成型AIの研究や技術革新は今後も進むとされています。現代では一般人でもキーワードから適切なワードでインターネット検索を自然にするように、プロンプトエンジニアリング自体が広く一般に普及し、高い専門性も必要なくなるのではないかと言われています。

こうした声からプロンプトエンジニアは需要の継続性がなく、一過性の職種ではないかという考えもあります。

ガイドブックの登場 
誰でもプロンプトの教科書を読めるように

AIの研究に取り組む海外コミュニティ「DAIR.AI」が、プロンプトに関する体系だった解説資料として「Prompt Engineering Guide」というオープンソースを公開しました。さらに、この日本語版も本家のサイトに掲載され、誰でも日本語で読めるようになりました。

良い回答を引き出すテクニックとは

Prompt Engineering Guideに記載されている内容を例にとって、チャットボットからより良い回答を得られるまでのプロセスを見てみましょう。

プロンプトを作成する際に、条件をつけるとしたら、「しないこと」を指示するよりも「すること」を定義づけすることが大切です。これにより、より具体的かつ"良い回答"へ焦点を当てた内容が返ってきます。

たとえば、顧客に映画を紹介するチャットボットへ指示を出すとします。

(※ChatGPTは大量のテキストデータから常に学習をしています。そのため、同じ問いに対して毎回同じ回答が得られるとは限りません。)

プロンプト(出した指示)

以下は、顧客に映画を推奨するエージェントです。興味を尋ねないで、個人情報を尋ねないでください。
顧客:私の興味に基づいて映画をお勧めください。
エージェント:

出力(返ってきた回答)

はい、あなたの興味に基づいて映画をお勧めできます。アクション、コメディ、ロマンス、それともその他の何か、どのような映画がお好きですか?

上記は、一見顧客の興味を聞き出そうとする一般的なAIの回答に思えますが、プロンプトエンジニアリングとしては失敗した例です。
顧客の興味を尋ねてしまい、指示に対して正確に得たい回答が得られませんでした。その上、「おすすめの映画を紹介する」という目的を達成できていません。

これを改善してみましょう。

プロンプト(出した指示)

以下は、顧客に映画を推奨するエージェントです。エージェントは、上位のグローバルトレンド映画から映画をお勧めする責任があります。ユーザーの好みを尋ねることを避け、個人情報を尋ねることを避ける必要があります。エージェントがおすすめ映画を持っていない場合は、「申し訳ありませんが、今日お勧めする映画が見つかりませんでした。」と返答する必要があります。
顧客:私の興味に基づいて映画をお勧めください。
エージェント:

出力(返ってきた回答)

申し訳ありませんが、あなたの興味に関する情報はありません。しかし、ここに今一番トレンディーな映画のリストがあります。:[リストの映画]。お好きなものが見つかることを願っています!

こちらは、「ユーザーの好みを尋ねない」「個人情報を尋ねない」という条件も満たしつつ、「映画をお勧めする責任があります」という指示のもと、人気映画のリストを紹介してくれました。AIから+αのより良い回答を引き出せた、プロンプトエンジニアリングに成功した良い例です。

プロンプトの設計においては、最適な結果を得るために要素や文脈を追加し上記のような実験を反復的に行うことを念頭に置く必要があります。プロンプトの"コツ"をおさえ、巧みにAIを操るのがプロンプトエンジニアの主たる仕事なのです。

最後に

新職種としての確立は今後も注目したいトピックですが、AI領域は着々と広がりを見せ、ビジネスへと活かす流れも年々加速しています。プロンプトのスキルを身につけておくことは、AI時代と呼ばれる現代にAIとうまく付き合うための必須スキルとなりうるかもしれません。

※本記事は2024年04月05日現在の情報です。

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