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2024.04.30

2024.05.15

有料版ChatGPT Plusを使おう①~どんな機能で何ができる?

※この記事内容は

文字で構成されています。
有料版ChatGPT Plusを使おう①~どんな機能で何ができる?

ChatGPT Plusとは

ChatGPT Plus(チャットジーピーティープラス)とは、OpenAI社が提供するChatGPTの個人向け有料プランです。月額20米国ドルで高性能の最新言語モデル「GPT-4」と、複数の魅力的な機能を使うことができます。

既に無料版ChatGPTを活用している方や「生成AIによる、より優れた体験」を求める方にとっては気になるプランではないでしょうか。実際、昨年11月に開催されたOpenAI DevDay(開発者会議)でChatGPT Plusの新機能が発表された直後は、使用量が急増し、新規登録受付が一時ストップになるほど注目を集めたそうです。
※参考:OpenAI社CEOのX投稿
(https://x.com/sama/status/1724626002595471740?s=20)

本連載記事では、ChatGPT Plusで何ができるのかを中心に、有料版に興味がある方が気になるポイントを分かりやすくご紹介します。

有料版ChatGPT Plusを使おう!

連載記事①~どんな機能で何ができる? ★現在の記事
連載記事②~アップグレード手順のご紹介
連載記事③~使用時の注意点5選

※本記事でご紹介する内容は、2024年4月執筆時点の情報です。今後変更となる可能性がありますので、最新情報はOpenAI社の公式ウェブサイトをご確認ください

※ChatGPTの有料版プランには、Plusの他に「Team」「Enterprise」があります。こちらは組織向けのプランとなりますので本記事では割愛いたします

無料版とは何が違う? ~より高性能に、より多機能に

ChatGPT Plusは無料版と何が違うのか、以下に簡単な比較表を用意しました。ChatGPT Plusでは、使用できる言語モデルに最新の「GPT-4」が加わり、画像・音声認識をはじめとした機能群(ピンク背景)を使えるようになります。

ChatGPT ChatGPT Plus
費用 無料 有料(月額20米国ドル)
使用できる言語モデル GPT-3.5 GPT-3.5、GPT-4
画像・音声認識(GPT-4V) ×
画像生成(DALL-E3) ×
高度なデータ分析と処理(Advanced Data Analysis) ×
最新情報の回答(Browse with Bing) ×
カスタマイズ版ChatGPTの作成と使用(GPT Builder) ×

有料版Plusで使える機能 / All Toolsと呼ばれる機能

その中でも青枠で囲まれた機能は「All Tools」と呼ばれています。
ChatGPT(GPT-4)に投げかけた質問や指示は、All Toolsの機能を使って処理されるため、より高度な回答を期待することができます。各機能の概要は次章でご紹介します。


その他、無料版と比較して、ChatGPT Plusは以下の点が優れています。

  • 学習データ期間
    無料版で使える言語モデルGPT-3.5は【2022年1月までの情報】を学習済みですが、有料版ChatGPT Plusで使えるGPT-4は【2023年12月までの情報】を学習済みです。さらにPlusでは、インターネット情報にアクセスできる機能(Browse with Bing)があるため、最近の情報を問うプロンプトにも応えることができます。
    ※参考:OpenAI社モデル情報
    (https://platform.openai.com/docs/models/gpt-3-5-turbo)
  • 優先アクセス
    サーバー(ユーザーの質問に対し処理・応答するコンピュータ)が混み合うと待ち時間が長くなりますが、ChatGPT Plusユーザーは優先的にアクセスできます。ピークタイムでもスムーズにChatGPTを使用できる可能性が高まります。
  • 新機能への優先アクセス
    ベータ版などの新機能は、有料ユーザーに向けて優先的に提供されます。最先端のAI技術をいち早く体験することができます。

どんな機能があって、何ができるのか?

ChatGPT Plusでは、以下5つの機能を使うことができます(2024年4月時点)。
①~④はAll Toolsと呼ばれる機能で、これらはChatGPTとの会話を通じて利用できます。機能名をクリックすると、各機能の概要紹介まで移動します。

※参考:Plugins(プラグイン)は2024年3月19日をもって廃止となりました
(https://help.openai.com/en/articles/8988022-winding-down-the-chatgpt-plugins-beta)

①画像・音声認識(GPT-4V)

GPT-4Vは、画像や音声を理解します。ユーザーはテキストだけでなく、画像や音声を入力してChatGPTに質問・指示することができます。
※音声入力は、スマートフォン版ではiOS と Android、PC版ではWindowsの音声入力(ショートカットキー:Windows+H)またはChrome拡張機能の使用により利用可能です

以下は、画像に描かれた内容を説明してもらった時のものです。画像自体はAdobe Firefly(Adobe社の画像生成AI)で作成しています。

かなり詳細かつ的確に画像を説明してくれました。画像の内容説明の他、OCRのような文字の読み取り、音声による質問の投げかけなど、より多様で直感的な使い方を楽しめます。

画像生成AIは実務で使えるのか~デザイナーがAIの実力を検証!

②画像生成(DALL·E 3)

DALL-Eは「ダリ」と読みます。入力したテキストをもとに画像を生成する機能です。試しにミニチュアダックスフンドの画像を生成させてみました。

さらに指示を出し、画像のテイストを修正することもできます。

例えば「WEB記事で使う挿絵や、資料に添える図を作成したい」「デザインのブレストをしたい」といった際に役立つ機能といえそうです。

なお生成した画像は商用利用可能ですが、OpenAI社の規約を十分に理解した上で使う必要があります。詳しくは連載記事③~使用時の注意点5選をご確認ください。

③高度なデータ分析と処理(Advanced Data Analysis)

Advanced Data Analysisは、様々なデータをプログラミング言語「Python」を使って分析・処理する機能です。以前はCode Interpreterという名称でした。

試しに架空企業の売上データが入ったExcelファイルを読み込ませてみます。

すると、以下とおりデータ内容を説明してくれます。

さらに拠点ごとの予算達成状況を尋ねると、以下のとおり簡潔にまとめてくれました。

※表で一部のセルを結合していると「データは列が一部未命名の状態」と説明されたり、セルに入った数値(数式の計算結果)が%表記で説明されなかったりする場合があります。ChatGPTが認識・出力しやすい入力・指示を心掛けましょう

他にも、大量データの要約やデータの成形、処理結果の新規ファイル保存など、幅広く対応できる機能です。本機能を使ったより高度なデータ分析事例を知りたい方は、ぜひ以下の関連記事をご覧ください。

ChatGPTで本格データ分析!~事例①:A/Bテストの効果比較
ChatGPTで本格データ分析!~事例②:データ同士の関連性を分析して予測

④最新情報の回答(Browse with Bing)

Browse with Bing は、Microsoft社が提供する検索エンジンサービス「Bing(ビング)」と連携し、ウェブから関連する最新情報を引っ張ってきてくれる機能です。回答の根拠となった参照URLは出力結果末尾の['']から確認できます。

以下の図は、GPT-3.5とGPT-4それぞれに対して、同じ質問を投げかけた結果です。GPT-4はBrowse with Bing機能により、ニュースサイト記事をもとに最新情報を回答しています。

GPT-3.5の回答

GPT-4の回答

例えば、特定分野の最新情報を調べたい際などに役立ちそうな機能です。参考URLつきで回答をもらえるので、リサーチ業務が捗りそうです。

⑤カスタマイズ版ChatGPTの作成と利用(GPT Builder)

GPT Builderは、特定の用途やニーズに特化したChatGPTを作成できる機能です。プログラミングは一切不要で、対話形式でカスタマイズ版ChatGPT(GPTと呼ばれます)を作ることができます。

筆者は太宰治「走れメロス」の文章データを読み込ませて、小説内容に関することならなんでも答えてくれるGPTを作成しました。忘れてしまいがちな主要な登場人物を箇条書きにしてもらったり、物語の特定シーンを描いた画像を生成してもらうことができます。

作成したGPTは自分で使うだけでなく、他のユーザーに共有して使ってもらうこともできます。ChatGPT画面の左側にある「Explore GPTs」をクリックすると、他のユーザーが作成した様々なGPT(個々のGPTの集合体をGPTsと呼びます)を探すことができます。

GPTsが画期的なのは、入力したファイル情報を永続的に保持できるという点です。
通常のChatGPTではファイルを添付しても一時的な入力情報に過ぎませんが、GPTsでは情報を保持できるため、例えば「特定の業界 or 専門知識に詳しいGPTを作成して、何らかの作業・業務を効率化したい」「業務マニュアルなどを読み込ませて、自社用チャットボットを作りたい」などの業務活用におけるニーズを叶えることができます。

有料版へのアップグレード方法

「ChatGPT Plus」で使える機能群をみて、実際に触ってみたいと思った方もいるのではないでしょうか。利用料は月額20米国ドルと、日本円でおよそ3,108.2円(1米国ドル=155.41円、2024年4月25日時点)。毎月となると安い出費ではありませんが、お試しで「1カ月だけ試してみる」のはありかもしれません。

簡単2ステップで完了するアップグレード手順は、連載記事②で紹介しています。

有料版ChatGPT Plusを使おう!② ~アップグレード手順のご紹介

ちょっと待って!使用時の注意点5選

「ChatGPT Plus」は興味深い機能が盛りだくさんですが、使用する際に気をつけたいことを5つ挙げます。無料版ChatGPTを使う際にも気をつけたい「著作権の考え方」など、重要な注意点を連載記事③でまとめていますので、ぜひご覧ください。

有料版ChatGPT Plusを使おう!③ ~使用時の注意点5選

最後に

有料版ChatGPT Plusのご紹介はいかがでしたか?
利用できる機能の内容をみて「実際に使ってみたい!」と感じた方も多いのではないでしょうか。

筆者も実際に、書籍などを参考にしながらChatGPT Plusを試してみました。その結果、今まで「面倒だなぁ」と思いつつ手作業で行っていたタスクの大部分をChatGPT Plusが処理できるのを目の当たりにし、ツールとしてのポテンシャルの高さを感じています。

一方で、有料版の機能を使いこなすにはPythonの知識があった方が良いかもしれません。なぜならChatGPTのデータ分析(Advanced Data Analysis)環境はPythonで構築されているため、中の仕組みに通じていた方が的確な指示をしやすい(求める回答を得やすい)からです。筆者はライブラリなどPythonの基礎知識がなかったため、良いプロンプトを書けていなかったのか、途中で何度もエラーが帰ってきました。

そのため「いきなり有料版のChatGPTを使うのはハードルが高い...」という方は、

・まずは無料版ChatGPT(GPT-3.5)を使いこなす、普段から使ってみる
・並行してPythonの学習を始めてみる

というのも、ひとつの学び方として良さそうです。インソースデジタルアカデミーは豊富な研修ラインナップをご用意していますので、そのような学習ニーズも柔軟にサポートいたします。

ChatGPTプロンプトエンジニアリング研修~使いこなすための応用手法を学ぶ
受講体験記 ~ChatGPTプロンプトエンジニアリング研修
(プログラミング初心者向け)Python基礎研修(3日間)

最近は圧倒的なクオリティで動画を生成する「Sora」が発表されるなど、ますます進化する生成AIの世界。ぜひ無料版からでも触ってみて、ご自身の業務に取り入れてみてくださいね。

有料版ChatGPT Plusを使おう!

連載記事①~どんな機能で何ができる? ★現在の記事
連載記事②~アップグレード手順のご紹介
連載記事③~使用時の注意点5選

※本記事は2024年05月15日現在の情報です。

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